※未読の人にはネタバレになるので注意!
全編前世話で、さらに過去話という珍しい一話でしたね。そして、「そっち!?」というグレン出生の秘密が明かされました……。
ボクラノキセキ51話はステラが亡くなる間際にグレンへと語るシーンで終わりました。
そのグレンが、父親のフレデリクへと話をするシーン。
そして更に10年前の、とある戦場の野営地でのお話へ。
ほぼ初登場人物なので細かいシーンはスルーしますが、バルトやグレンの父親「フレデリク・ベルバニア」、アリファルド家の当主として名前が挙がった「ソーントン・アリファルド」、その父親「ディトマール・アリファルド」、そして「ステラ」が主な登場人物。
はるか以前に触れられていた、鮮血の魔法のタンクにされていたステラが、フレデリクに助けられた一連のシーンが今回語られた格好になりましたね。51話の感想でも少し触れましたが、「高潔」と言われるフレデリクがステラに手を出すのか?という疑問もありましたが、結果的にフレデリクは本当に高潔ないい人で、ソーントン・アリファルドが思いのほかダメな方だった感じでしょうか……。
フレデリク
ソーントン!君の御父君がどこにおられるか知っているか リムリアの国境で動きがあったと斥候が…
ソーントン
知らないね
フレデリク
…………(物音がして天幕に入る)
ステラ
!
フレデリク
(なぜ野営地に女性が)公娼…ではないな(彼女らなら着飾る筈)ここで何を
ステラ
女ならなんだっていいんだろうさクソが
うわぁ〜。そういうことか……とこの時点で気づきましたが。
それとは別に、今まで出てきたステラは、芯は強いものの、割とおっとりした印象?だったので、この鋭い感じは意外でした。口悪いです、ステラさん。
そして、フレデリクはソーントンの所業だけでなく、ステラの腕に血が滲んでいる事にも気づいて、怒り心頭のフレデリクはディトマール・アリファルドの下へ。
フレデリク
ディトマール・アリファルド!貴様
ディトマール
なんだいフレデリク
フレデリク
人間を囲っているな 鮮血の魔法のタンクとするために
ディトマール
何を憤る
フレデリク
教会に禁止されているがそれ以前の問題だ、貴様人間を何だと思っている。民のために血を流すのは我々だけの役目だ!
ディトマール
ご丁寧に決まり事を守って…戦に負けたらどうなる。流れるのは我々の血だけじゃ済まんよ
ソーントンの方の行動はダメ過ぎますが、ディトマールが言ってるのは分からないでもないかなーと思ったり。人道的に言えば間違いなく良くないものの、軍事的に利用できるものがあるなら、軍部がそれを隠してでも利用するのは仕方ないでしょうし。従軍している神官も買収しているという話のようで、現実はそんなもんなんだろうなぁという感じでしょうか。
結果的には、ソーントンの蛮行を見過ごす代わりに、鮮血魔法のタンクとして囚われている人物は解放されることに。さらにフレデリクは、ステラに住み込みの使用人として働かないか?という提案をするこことに。以前出ていた、フレデリクがステラを助けたという話の裏にはこんな流れがあったんですね。
数か月後に、ステラの妊娠が発覚。ステラは側室として迎え入れられて屋敷で出産をする事に。
そして、フレデリクとグレンのシーンへ戻ります。
フレデリク
そうしてステラを側室として迎え入れる事として 私がこの父親だという事として
グレン
…本当に 貴方が父上じゃないんですね…
フレデリク
お前の本当の父親はソーントン・アリファルドだ。家督を継ぎ、今ではアリファルド家の頭首(当主)。…お前が聞いたというステラの今際の際の言葉通り 私はお前の父ではない
そういうことですよね……。最初のソーントン登場シーンで薄々気づきましたが。
正直この展開は予想してませんでした。王様の隠し子か?まさかのドルゲルグの子どもか?とかいろいろ考えちゃいましたが、まさかのアリファルド家の息子だったとは。ソーントンの性格とかが、もう少し前世話で登場してたら予想できたかもですが、さすがに名前だけ出てきたレベルだったので、全然考えてませんでした(笑)
フレデリクの妻(正室)が泣いていたというのも、ステラという側室が身ごもったということではなく、ステラの境遇が可哀想で泣いていたというものだったと。フレデリクといい、この正室といい、本当に高潔という呼び名で表すのにふさわしいなぁという感じですね。
そんなベルバニア家での、もう一人の人物が話題に。
グレン
…あ…兄様にも本当の事教えてたら…
フレデリク
あいつはアリファルドと懇意にしている 万が一にもアリファルドに知られるわけにはまだいかなかった
ソーントンとドルゲルグが組んでいるという話は、以前出ましたからね。それぞれが家督を継ぐ前から、仲が良かったという感じでしょうか。
フレデリクの発言で気になるのは「まだ」の一言。
「グレンがソーントン・アリファルドの息子」という事実が、ソーントンとドルゲルグが知っているのか?知っているとしたらどの時点からか?というのを惑わすような一言でしたね。「まだいかなかった」と言っているということは、生まれた直後は秘密にしていたが、グレンと話している時点では知られているということなのか…。この時点でも知られていないなら「まだいかないのだ」という言葉になりそうですし。
そして、最後の問題である「魔法」
グレン
母さんの出生地がどこか分かって正式に側室になって、僕がベルバニアの名前を継いでも…魔法!ベルバニア家とアリファルド家じゃ覚える魔法がちょっと違うから、魔法を覚える儀式したら、僕がちち…あ 貴方の血を引いていないって絶対バレちゃってたんじゃ… まさか…
フレデリク
そうだグレン、ステラの出生地はとうに判明していた。だがあえて捜索中だと偽っていた。理由はお前の言った通りだ。
グレン
…僕と母さんがベルバニア家の一員になる事は ずっとありえない事だったんだね…
この部分については、ソーントンの息子という話の流れで、「判明してたけど秘密にしていた」というのは途中で予想できました。魔法の話もそうですし、単純にステラのアレコレは明かせなくなるだろうなーと。
全編前世話という珍しいボクラノキセキ一話。
広木、バルト、グレンの一連の流れは、本当に波乱万丈があり過ぎて、皆見以上に主人公らしい過去を持っているような感じがします。だからこそ個人的に、広木は女主人公だと思ったりもしてるんですが。
さて、今回の一話を見ていて頭を過ったのは2つ。
@広木はどこまでを覚えているのか?
魔法を覚えるということを決めて、御堂や元井と話していたシーンで、「誰の血を引いているか」という発言がありました。フレデリクとステラの息子という認識なら、絶対にしないような発言だったので、たぶん多くの人も疑問に思ったと思います。
この時点で、広木はグレンの出生をどこまで知っていたのか?今回の前世話のことを全て思いだしていたのか、それとも断片的に疑念が浮かぶ程度まで思いだしていた程度なのか。さらに言えば、前世話が出てくるのは、誰かが記憶を思いだしているという今までの流れから考えると、広木の次話での反応が気になります。この記憶を初めて思いだして驚いた表情なのか、元々思いだしていて知らないふりを続けるのか。
一番シンプルな形としては、今までは自分の出生に疑念が浮かぶ程度の記憶までは思いだしていたものの、真実までは分からない状態だったけど、今回で全て思いだした…という感じですかね。
Aモースヴィーグ襲撃時のグレンの行動
参謀(ソーントン)の息子(グレン)という立場での裏切り。
まずモースヴィーグ側がこの呼び方をしているということは、ソーントン&ドルゲルグ側は、グレンがソーントンの息子であることを知っていて、更にそれをモースヴィーグ側にも伝えていたということになりますね。さらに、もし大っぴらに知られていない情報なら、あまりに機密事項な内容ですし、それをモースヴィーグ側の一兵士にも伝えられていたというのはおかしい感じもするので、襲撃時点で結構知られた事実だった可能性もあるのかもですね?
「グレンはベルバニア家に類するものの、実はソーントンの隠し子である」的な。ただ、少し前にベロニカに秘密を打ち明けるシーンで「バルトも知らない」という内容がコレな感じもするので、やっぱり公には知られていなかったのかな?1巻から読み直して不自然なところがないか見ないと何とも言えないですが……。
そして、「本当に裏切った?」というのも問題になりそうですよね。
どう考えても、今まで出た事実から、グレンの本当の父親がソーントンだったとしても、ソーントンやドルゲルグに協力するとは思えないんですよね。さらっと予想するなら、従ったフリをしつつ情報を入手して、ソーントン・ドルゲルグを裏切って、その目論見を壊そうとした的な感じがしますね。二重スパイみたいな。
前世でも現世でも不遇なグレン・広木が可哀想……。
高尾がいるので、ベロニカ・皆見と現世で結ばれてほしいとまでは思えないものの、報われて欲しいですよね……。次話の広木が心配です><
ボクラノキセキについて丁寧に書かれていて、とても楽しく拝見いたしました。
14巻や今回の本誌でのお話など、広木(グレン)が悲しすぎて見ていられないです。
広木(グレン)のベロニカへの想いは真実だと思うので、どうしてもベロニカを裏切ったとは思えず、ましてや大切なバルトをも危険にさらすとは思えず、一連の出来事が嘘であってほしいと願うばかりです。
参謀の息子が裏切ったというのも、スケープゴートなど何かの間違いではないのかと考えてしまいます。
春湖がいるので、皆見と広木が結ばれてほしいとは強く思わないものの、広木が幸せになってほしいですし、グレンも救われてほしいと思います。
まとまっていなくて申し訳ありません。
長々と失礼いたしました。
今月もありがとうございます!!内容だけでなく四葉さんの見解も聞けるので「なるほど〜」と読んでいて楽しいです。
広木は本当に重要な役目を担っていますね。今月の話では前世だけだったので現世話になった時、どうみんなと距離感がうまれるのか気になります。
「誰の血をひいているのか」については、わたしも引っかかる言葉だなっと感じていました!やっぱ広木はその辺のこと思い出しているんじゃないんですかねえ。。
来月も更新楽しみにしています。長文失礼いたしました!!!
コメントありがとうございます♪
ここまできて、本当にグレンが完全に裏切ってるとかだと、本当に広木もグレンも可哀想すぎて……報われなさすぎるので、メタ的にそんなことはないと信じています(笑)個人的には、グレンは裏切ったフリをしていて、ソーントン・ドルゲルグの策謀を壊すために行動していた、ってのが一番流れ的にありえそうかなーと。
そして、そこなんですよね!
ホントに、グレンだった前世を含めて、広木に幸せになって欲しいんですが、春湖とはギスギスして欲しくないんですよね……。ぐぬぬ……悩ましい……。どんなゴールになるのかが本当に気になります。
ここ最近は、昔の情報なんかが忘れちゃってる部分があったりして、勘違いしたコメント書いちゃ足りもしてて少し反省したりしてます(笑)
広木はどのタイミングで記憶が戻ったかが、次回のポイントになりそうですね。以前から知っていたなら動揺もないでしょうけど、みんなが周りにいる状況で思いだしたなら動揺しちゃいそう。
「誰の血を引いているのか」と言うからには、全く予想もつかないという状況ではないとは思いますが、全部を思いだしてたら、そんな発言にもならないでしょうし。広木の動向は本当に気になるので、ホントに次回が気になります……。
ここ最近は更新が遅れちゃったりしてるので、来月は、早めに更新したいですね〜^^